父親たちの星条旗 (特別版) [DVD]

大分前に無理して英語字幕で見たので、勘違い、記憶違いがあるかもしれないが、感想を書いてみる。
強く記憶に残ったのは以下の3箇所。

船から落ちた海兵隊員を拾わず進む艦隊

アメリカ軍は決して兵士を見捨てない」というイメージが私にはあった。しかし、序盤でそれが破られる。

マイクが死ぬ前の砲撃

マイクの部下が味方の誤射で砲撃を食らう。生身で食らったら跡形も残らなそうな砲撃。そして、実際に、跡形も残っていない映像。
突然、死が訪れ、自分だった物体が形として何一つ残らないのは、想像するだけでとても怖い。

B29の緊急着陸

硫黄島の飛行場を確保した米軍は、戦闘が続いている中でその飛行場の運用を始めた。そして、煙を吹いた爆撃機緊急着陸する。それを過去の出来事として思いおこした当時の米軍兵士(士官?)が、その後も多くの爆撃機緊急着陸したこと、それによって多くの命が救われたことを語る。
史実からすれば、画面に描かれた爆撃機は東京で空襲を行った帰りであり、その元兵士が語る緊急着陸した他の多くの爆撃機も日本爆撃の帰りである。硫黄島の飛行場があるからこそ行なわれた爆撃行もあっただろう。
映画に出てこないが、爆撃機緊急着陸が描かれた1週間後に東京大空襲が行なわれた。この元兵士の言う「多くの命」に日本の民間人の命は含まれていないのだろう。

まとめ

アメリカの矛盾、戦争の矛盾、資本主義の矛盾、人種差別の矛盾。今は改善されているが、決して解消されてない、そんな矛盾を感じた映画。

父親たちの星条旗 (特別版) [DVD]

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