ボナンザVS勝負脳―最強将棋ソフトは人間を超えるか (角川oneテーマ21)

ボナンザという最強クラスの将棋ソフトと、プロの有段者との対局を交えながら、ソフト製作者と対局なさったプロ棋士が語った書だ。
私は、中学生くらいまでは、かなり将棋を指しまくっていたのだが、その後は興味が薄れ、最近10年くらい指していないような状態だった。そんなわけで、今年の春に行われた将棋ソフトvsプロ有段者の対局も気にしていなかったのだが、本屋で何気にこの本をパラパラとめくってびっくり。
ボナンザは「全幅探索」が基本で、「機械学習」でパラメータを調整した…って、えらい力技では?将棋のような着手可能数が多いゲームでは、いかに探索木を枝切りするかが勝負じゃないのか?パラメータの調整はソフト製作者の棋力と棋風が問われる箇所ではないのか?…そんなこんなの疑問が頭を占め、気がついたら、この本を購入していた。
ボナンザの作者の保己さんが、コンピュータの特性(間違えず、忘れず)を生かしつつ、毎年続く高速化を質に転化し、人間的な味付けになりがちなパラメータの調整をも、コンピュータの特性を生かしていることに感動した。
正直言って、対局相手の渡辺さんの文章は、まだ、ほとんど読んでません。